2014年度第3回公共政策セミナー

2014/07/02

本日、2014年度、第3回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2014年7月2日(水)10時~12時

報告者: 髙嶋佳代さん
タイトル: 日本における第一相治験(First in human試験)の現状

概要:

医薬品、医療機器の開発において、日本は新薬開発のできる数少ない国であるにもかかわらず、早期段階の治験は確立されているとはいえず、国が整備事業を推進しているところである。今回、日本における早期探索試験(FIH試験、第一相治験)の状況を概観し、イギリスでのFIH試験に関する事件とともに紹介する。

報告者: 丸祐一
タイトル: 生命倫理学と法学的方法論

発表概要:

医療上の問題の解決を法的に行おうとするならば、すなわち当事者が裁判によって問題の決着をつけようとし、これに争訟性があり、かつ訴えの利益があるならば、裁判所は生じている現象を法の土俵に乗せて整理し法的に判断を下すことを強いられる(すくなくとも民事法的には)。こうして法学は医療に出会って医事法学が生まれた。しかし、医療ギルドが医療における問題解決をしていた「医の倫理」の時代が、法曹ギルドによって問題解決が図られる時代になっただけであるならば、「生命倫理学」—それはみんなで生命に関わる問題を考えようとする—に法学はまだ出会っていないのではないか。医事法学とは別に、生命倫理学における法学の役割は何かあるのか。Sugarman編 "Methods in Medical Ethics"(2010)所収のHall and King "Legal Methods"を紹介することで、生命倫理学における法学の役割を検討し、この問題を考える端緒としたい。(ちなみに、本研究は生命倫理・第三世代の会が現在取り組んでいる生命倫理学の方法を考えるプロジェクトの一部です)