2016年度第1回公共政策セミナー
2016/05/18
本日、2016年度、第1回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。
◆日時:2016年5月18日(水) 13時30分~16時00分
発表者1: | 藤澤空見子(大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース修士課程2年) |
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タイトル: | 非侵襲的出生前遺伝学的検査(Non-Invasive Prenatal genetic Test;NIPT)の遺伝カウンセリングにおける、認定遺伝カウンセラーとクライエントの相互作用 |
要旨:
今日、日本ではNIPTの臨床研究と並行して、遺伝カウンセリングの提供体制の基盤作りが進められている。本研究では、遺伝カウンセリングを専門家(医療者)と非専門家(クライエント)のコミュニケーションの場と捉え、両者の間で相互作用的なコミュニケーションが行われているのか、そして行われているのならばどのような内容なのか、という問題関心のもと調査・考察を進めていく。
今回の発表では、先日行った認定遺伝カウンセラーを対象としたweb上の質問紙調査・インタビュー調査の報告を中心に、新たしく得た考察や今後の展望を報告する。
発表者2: | 李怡然 (大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース 博士後期課程1年) |
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タイトル: | 遺伝性疾患における親から子への「告知」 |
要旨:
常染色体優性遺伝の難治性遺伝性疾患をもつ患者や家族は、スティグマや差別による葛藤を抱え、とりわけ親から子にリスクを告知することには大きな困難が伴うとされてきた。しかし、2000年代以降の国際的な患者追跡コホートの構築、ゲノム解析技術の革新、ゲノム編集技術の進展など、当事者をとりまく医学研究の環境は大きく変容を迎えている。このような変化を迎えた現在、家族が告知に関してどのような態度や経験を有し、医師/研究者や遺伝カウンセラーといった専門職が家族の選択にいかなる影響を及ぼしているかについては、十分明らかにされていない。そこで、本研究では、当事者家族および医師、遺伝カウンセラーらに対しインタビュー調査を実施する計画である。
今回のセミナー発表では、問題背景や先行研究の整理を中心に、博士課程における研究構想の報告を行う。