2016年度第3回公共政策セミナー

2016/06/17

本日、2016年度、第3回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2016年6月17日(金) 14時00分~16時30分

発表者1: 礒部太一(北海道医療大学歯学部・大学教育開発センター)
タイトル: 緩やかな参加:ローカル志向を背景としたコープ札幌と六花亭の事例から

要旨:

科学技術社会論領域においては、科学技術への市民参加研究の蓄積が進んでいる。その他の専門領域においても、「参加」をキーワードとした取り組みや研究の蓄積が進んでいる状況にある。それらは例えば、医療社会学や医療政策における市民患者参画(Public & Peitient Involovement:PPI)、コミュニティデザイン、社会運動論、社会福祉学におけるボランティア論などである。

このように様々な領域において議論の進展はあるものの、「参加」のあり方を考える際に重要な点として、それらは社会的・文化的・歴史的な影響を受けざるをえないという側面である。現代日本の「参加」を念頭に置いた場合に考えざるをえない状況としては、東京を中心とした大都市集中のライフスタイルや価値観などが、日本の社会・経済状況などの変容により、その一部はローカル志向へと変遷を辿っている傾向がみられることである。そのような変化に対応して、「参加」のあり方や方法についても変容がみられると考えられる。

以上を踏まえ、本研究においては、札幌を中心とした北海道地域におけるローカル志向を背景とした「参加」についての2つの事例として「コープ札幌」と「六花亭」を取り上げ、その内実を分析することで各々の事例の特徴を明らかにする。その上で、この2事例の分析から抽出される「緩やかな参加」の概要を提示し、今後の展開可能性を示唆する。

発表者2: 小林智穂子(大学院学際情報学府文化・人間情報学コース 博士後期課程3年)
タイトル: 社員による企業ボランティア参加に関する現状と課題

要旨:

2015年度全労済公募委託研究助成として実施した掲題の調査報告を行う。本調査では、企業ボランティアの現状を把握し、企業ボランティア活動に参加している勤労者がどのような経験をしているのかについて明らかにすることを目的に、「研究a.勤労者の社会貢献活動実施に係る類型化の完成」、および、「研究b.勤労者の社会貢献活動に関する意識の詳細分析」を実施した。aの結果、企業ボランティアの実施態様には、従来から指摘されてきた奨励、促進、後援の他にも、業務命令で実施されているものがみとめられた。また、b.のインタビュー調査からは、企業ボランティアに関わる人々の、企業ボランティアの実践をめぐるニーズや価値観、葛藤などについて実情を記述した。最後に、従業員ボランティアとNPO双方の満足を実現する条件を考察したい。

発表者3: 張有沙(大学院学際情報学府文化・人間情報学コース 修士課程1年)
タイトル: 脳卒中運動障害患者の上肢リサーチ運動を評価する

要旨:

卒業論文についての内容と修士課程での研究関心について報告を行なう。