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東京大学医科学研究所公共政策研究分野

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ヒト臓器産生を目的としたヒト-動物キメラ作製に関する一般市民の意識調査(試行)についての論文がAsian Bioethics Reviewに掲載されました(楠瀬)

2017/09/25

Asian Bioethics Reviewに下記の論文が掲載されました。

A Preliminary Study Exploring Japanese Public Attitudes Toward the Creation and Utilization of Human-Animal Chimeras: a New Perspective on Animals Containing “Human Material” (ACHM)

Kusunose, M., Inoue, Y., Kamisato, A., Muto, K.

Asian Bioethics Review (2017) https://doi.org/10.1007/s41649-017-0020-1

 

 慢性的に移植用ヒト臓器が不足するなか、iPS細胞等を用いた再生医療研究が進んでいます。その一つに、特定臓器を作製できないよう操作された動物胚に患者自身のiPS細胞を挿入して「ヒトー動物キメラ(ヒトの要素を持つ動物)」を作製し、患者の細胞でできた拒絶反応のない移植用ヒト臓器を産生するという研究が実施されています。

 我々は、2012年2月に、このような「ヒトー動物キメラ(ヒトの要素を持つ動物)」の作製と利用に対する一般市民の意識に関する質的調査を試行的に実施しました。対象は、首都圏在住の一般生活者24名で、20代~30代と40代~50代の男女6名ずつ計4グループに分け、事前に作成されたインタビューガイドに沿って資料を提示しながら、1グループ約2時間のフォーカス・グループ・インタビューを実施しました。インタビュー内容は逐語化され、データを発言毎にカテゴリー化し、分析しました。

 その結果、20代男性のグループを除いたその他のグループでは、医学的発展の重要性は認めつつも、たとえ自分や自分の子どもが移植が必要となったとしても「ヒトー動物キメラ(ヒトの要素を持つ動物)」の作製と利用に反対する態度が認められました。これらの人々は従来の「ヒトの要素を持つ動物」という視点ではなく、「私の要素を持つ動物」や「私の子どもの要素を持つ動物」という視点でヒト-動物キメラを捉え、単なる実験動物ではなく、自分や自分の子どもの細胞をもった特別な存在として位置づけていました。このような視点は先行研究では述べられていなかった視点です。

 本稿の最後では、今回のフォーカス・グループ・インタビューで得られた結果や新たな視点を元に、今後一般市民の理解を得ながらヒト臓器産生を目的としたヒトー動物キメラ作製研究を実施するために必要な事項について述べられています。

 

 
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