2015年度第8回公共政策セミナー

2016/01/06

本日、2015年度、第8回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2016年1月6日(水) 10時00分~12時30分

発表者1: 井上悠輔(東京大学医科学研究所公共政策研究分野 助教)
タイトル: ゲノム医療と人工知能の接点
発表者2: 楠瀬まゆみ(東京大学医科学研究所公共政策研究分野 特任研究員)
タイトル: 臓器移植法18年を振り返る

概要:

2010年7月に「臓器の移植に関する法律」(臓器移植法)が施行されてから、5年が経過した。1997年10月の臓器移植法の施行後2010年の改正が行われるまでの約13年間で86件であった脳死下での臓器提供は、2015年6月末までの約5年間で244件になったが、日本臓器移植ネットワーク調べによると、脳死下臓器提供数は増えているが、心停止後の提供を含めた臓器提供総数の増加には至っていない。本発表では、1997年の臓器移植法の成立から2010年の改正までを、政策分析手法の一つであるB. B. Longest Jr.のA Model of the Public Policymaking Processに基づき分析するとともに、改正から5年を経た現状について概観する。

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【院生室より】忘年会

2015/12/17

こんばんは。M2の藤澤空見子です。
昨日まで暖かい日が続き、12月の気候としては違和感を感じる日もありましたが、今日からは寒さが増して、いよいよ本格的な冬が来たなと感じます。

昨日、武藤研の忘年会が開催されました。
今回は研究室メンバーの中から約20名が参加してくださり、にぎやかな会となりました!
毎年忘年会では何かしらのアクティビティが用意されておりまして、今年は「2015年度を振り返って、というテーマのミニスピーチ」でした。
皆さんのお話を聞いていると、自分がスピーチで触れる話題以外のできごともしみじみと思い出し、私を取り巻く環境や関係者の方々に対する感謝の念と、「来年もがんばろう」という気持ちがこみあげてきました。
もちろん反省点も多い1年でしたが、来年はこれを踏まえて、勉学・研究に取り組んでいきたいと思います。

また、今回は、今月お誕生日を迎える武藤先生・竹内さん(学術支援専門職員)のお祝いと、武藤先生・神里先生編著の『医学・生命科学の研究倫理ハンドブック』出版お祝いも兼ねており、プレゼントを贈る場面ではとくに盛り上がりました!
兼ねていたとはいえ、ご本人には内緒でプレゼントを準備しており、サプライズ成功!と言いたくなるような場面でした。
改めて、武藤先生、神里先生、竹内さん、おめでとうございました!

寒くなりつつある中、私の周りでも体調を崩してしまった方が何人かいらっしゃいますので、体調管理にはくれぐれも気をつけつつ、残りの2015年を過ごしていきたいと思います。

(M2・藤澤空見子)

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2015年度第7回公共政策セミナー

2015/12/16

本日、2015年度、第7回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2015年12月16日(水) 10時00分~12時30分

発表者1: 岩本八束 (新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 修士課程2年)
タイトル: メディアにおける「脳バンク」の語られ方―日米の新聞記事比較を通して―

概要:

現在執筆中の修士論文の進捗状況について、新聞記事内容の質的検討の分析結果を中心に報告する。

発表者2: 江念怡 (新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 修士課程2年)
タイトル: 薬局・ドラッグストアでのPGx検査提供に関する倫理的課題

概要:

修士論文で使用する2014年のゲノム科学に関する意識調査のデータセットを分析している段階である。セミナーでは論文の構成と進捗状況について報告する。

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第1回「研究倫理を語る会」ご参加御礼(武藤)

2015/12/13

2015年12月12日、無事に「研究倫理の文化祭」、第1回「研究倫理を語る会」を開催することができました。受付を通過された方は370名にものぼり、年末の貴重な週末に足を運んで下さったことを心から御礼申し上げます。また、世話人代表を務めて下さった東京医科歯科大学生命倫理研究センターの吉田雅幸先生、甲畑宏子先生、江花有亮先生、高橋沙矢子先生に御礼申し上げます。さらに、各セッションをまとめてくださった座長の先生方、協賛してくださった諸団体の皆様にも大変お世話になりました。

また、セッション5「拡大・研究倫理支援者懇談会」の座長を引き受けてくれた神里彩子さん、セッション1「統合指針への対応状況:モニタリング・監査 はじめました」に登壇してくれた井上悠輔さん、Andrew JT George先生を招聘してくれた高嶋佳代さんをはじめ、当日も臨機応変に対応してくれた当研究室のメンバー一同に、厚く御礼申し上げます。

「研究倫理を語る会」の構想には、PRIM&R(Public Responsibility in Medicine and Research)がありました。私は、2000年にPRIM&Rに初めて参加し、被験者保護や規制、倫理審査について、機関や立場を超えて語り合う場があることに衝撃を受けました。日頃は色々なトラブルやストレスもあるかもしれませんが、この日ばかりは、みんな明るく楽しく、そしてぶっちゃけトークを繰り広げていました。

しかも、ただ「語り場」を提供しているだけではないのです。PRIM&Rでは、Certified IRB Professional(CIP)という、IRB運営に関わる実務者の認定試験を運営しています。CIPは、事務職員の学位のように扱われており、頂く名刺の多くには、名前の後ろに「,CIP」とつけられていました。当時、CIP制度を運営していた人に伺ったところ、「連邦規則なんて小難しいことを勉強してるんだから、少しでも転職しやすくするために、どういうスキルをもった人なのかを明らかにすることにしたんですよ」と教えてくれました。つまり、人を対象とする研究における法令を熟知し、IRBを運営できるという能力を示しているのがCIPです。

私が最近とても懸念しているのは、日本で突然、研究公正や倫理審査に関する業務量が増加し、また専門分化していることです。こうした業務に愛着を感じることのできる人たちは限られており、モチベーションの維持、そして専門性のあるキャリアパスの醸成が圧倒的に不足しています。研究倫理の質を支えているのは、委員だけではなく、事務/専門職員や研究倫理支援に関わる人たちです。すぐに解決できる問題ではありませんが、日本版CIPの構想も次の夢にしながら、これからも考えていきたいと思っています。また、日本では、研究機関の種別、職種、立場を超えて会する場がありませんでしたので、昨日の会がその第一歩になっていればいいなと思っております。

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「英国における倫理審査委員会の標準業務手順書」(翻訳版) (高嶋(佳))

2015/12/11

※12月12日に開催されました、第1回「研究倫理を語る会」のAndrew JT George先生がご講演のなかで本SOP日本語版ご紹介くださいました。


近年、日本の臨床研究活性化に向けて様々な動きがある一方で、臨床研究に関する問題事案が発覚したことにより、規制や体制整備についての検討が行われていますが、なかでも被験者保護のための倫理審査委員会の役割は非常に重要と考えられています。

そのような中で、本研究班メンバー(田代)が臨床研究における欧米諸国の制度に関する調査に関与し、英国(イングランド)の倫理審査委員会の標準化と質の均一化への取り組みが、日本における倫理審査委員会の改革に参考になるのではないかと持ち帰った事から、本英国研究倫理政策研究班が立ち上がりました。(研究班設立に関しては、本誌の4~8頁をご参照下さい)

英国における倫理審査委員会に関するガイダンスとしては「研究ガバナンス体制」と「研究倫理委員会ガバナンス協定」、そして標準業務手順書(SOP)の3つが運用の柱として存在します。その中で、日本の倫理審査委員会体制の改革にとっても、実務を担っている方にも役立てて頂けるものをということで、英国RECの実務には欠かせない本SOPの翻訳を行う事になりました。


本SOPの翻訳作業を開始した当初は半年程度での完成を目指しましたが、英国の規制等を踏まえての内容や訳語の検討と再検討を繰り返し、更に全体の校閲作業に数ヶ月を要した事で、気がつけば完成までに約1年半の時間が経過し、幾度となく検討を重ねた訳語リストは300を超えました。

そして、そうこうしている中で、英国では2015年1月に本SOPの改訂版が公開されており、その改訂版を手にしたときには、2014年に英国の保健研究機構(HRA)に訪問した際に、「残念ながら、もうすぐ改訂版がでるよ」といたわるような微笑みとともに告げられた時の事が思い出されました。その改訂版(6.1版)では、欧州の臨床研究に関する規制の変化やHRAの業務内容の変更に伴う改訂、その他ITシステムの変更や業務整理、以前からの検討事項等に伴う改訂が行われています。ご興味のある方は、あとがきに示したHRAのHPのリンクをご参照下さい。

研究班で最後の最後まで確認作業を行いましたが、もし誤訳やミスなどお気づきの点がありましたら、下記メールアドレスか、研究班のメンバーにご指摘頂けますと幸いです。そして、この翻訳版が倫理審査委員会の実務において、そして今後の日本の倫理審査委員会の改革に少しでもお役に立つことがある事を、研究班一同心より願っております。


数に限りはございますが、冊子体を送付することができます。ご希望の方は、 までお申し込みください。
PDF版をここからダウンロードしていただくこともできます。

※「英国における倫理審査委員会の標準業務手順書」作成にあたり、文部科学省科学技術試験研究委託事業「次世代がん研究シーズ戦略的育成プログラム」より財政的支援を得ております。ここに御礼申し上げます。

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【院生室より】科学技術社会論学会へ参加してきました

2015/12/04

こんにちは。
M2の藤澤空見子です。
銀杏や楓の葉が落ち、冬らしさを感じる今日この頃です。

11/21-22の日程で開催された科学技術社会論学会への参加のご報告です。
今回は宮城県仙台市での開催で、東北地方へ行くのは初めてだったため、少しわくわくした気持ちで仙台へ向かいました。

講演やシンポジウム、ワークショップなどを通じて、実に多様なトピックが研究されており、改めて科学技術社会論の幅の広さを感じました。
同時に、科学技術が高度化・先進化しつつ社会の中で広く利用されているという状況も実感し、「私も社会に還元できるような研究をしたい」と身を引き締める思いで皆様の発表を拝聴しました。
多様なトピックであった分、自分の研究テーマでは普段あまり触れないような自動走行車、人工知能、まちづくりといった内容の発表は新鮮さと面白みを感じました!
特にシンポジウムでは、私自身の研究にも重要な視点を学ぶことができ、非常に有意義でした。

こうして研究室の外の方々の研究に触れたり、交流したりする機会を持つことはいい刺激になるので、今回の学会も参加してよかったと感じました。
今後も楽しみつつ研究に邁進していきたいと思います!

(M2・藤澤空見子)

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第72回 ジャーナルクラブ記録

2015/12/04

第72回(2015年12月4日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

神里:
臨床看護師が体験している倫理的問題の頻度とその程度
小川和美・寺岡征太郎・寺坂陽子・江藤栄子
日本看護倫理学会誌.6(1):53-60.2014.

高島:
Actionable exomic incidental findings in 6503 participants: challenges of variant classification
Amendola et al.
Genome Reserach.25(3): 305-15.2015.

藤澤:
「遺伝リテラシー ―遺伝子検査を考える」
東京学芸大学付属高等学校 第14回 公開教育研究大会・情報教育公開研究大会

科学技術基本計画に示される国民像の変遷からみる理科教育の課題と展望:
科学技術政策の形成過程への国民の参画に焦点をあてて
内田隆・鶴岡義彦
『学校教育学研究論集』(30):83-100.2014.

佐藤:
出生前に性染色体異常を認めた症例の妊娠継続率
望月純子・沼尾彰子・安本龍馬・荒木尚美・増田励・高田史男
日本遺伝カウンセリング学会誌.33(2):76.2012

出生前診断で認められたX/XYモザイク型性染色体異常の遺伝カウンセリング
森崎裕子・吉田晶子・森崎隆幸
日本遺伝カウンセリング学会誌.33(2):77.2012.

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第1回研究倫理を語る会(12/12)詳細プログラムのご紹介

2015/12/03

いよいよ、「研究倫理を語る会」まで、あと1週間となりました!

参加費は無料ですが、事前登録制となっております。
既にお申し込みは300名を超えておりますので、参加希望の方は大会HPよりお早めにお申し込みください。
皆様のご参加をお待ちしております!

日時: 平成27年12月12日(土) 9:00~18:00
場所: 東京医科歯科大学 鈴木章夫記念講堂・共用講義室1,2 会場へのアクセス
参加申込: 定員500名・参加費無料・事前登録制(大会HPよりお申し込み下さい)
大会HP: http://www.tmd.ac.jp/bioethics/japrec/index.html
お問合せ: 東京医科歯科大学 生命倫理研究センター
E-mail:

プログラム

<午前の部>

9:00~9:15 開会式
9:15~10:35 セッション1 統合指針への対応状況:モニタリング・監査 はじめました
座長:山下 紀子(国立がん研究センター)
   森下 典子(国立病院機構大阪医療センター)
S1-1. 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」概要
井上 悠輔(東京大学)
S1-2. モニタリング・監査体制 -事例1:宮崎大学-
森田 ひとみ(宮崎大学)
S1-3. モニタリング・監査体制 -事例2:国立がん研究センター-
中村 健一(国立がん研究センター)
指定発言
板井 孝壱郎(宮崎大学)
セッション2 特定認定再生医療等委員会事務局情報交換会
座長:田代 志門(国立がん研究センター)
   武藤 香織(東京大学)
S2-1. 大阪大学特定認定再生医療等委員会の現状と課題
岡田 潔(大阪大学)
S2-2. 東京医科歯科大学特定認定再生医療等委員会の現状と課題
森尾 友宏(東京医科歯科大学)
セッション3 ヒトゲノム研究の倫理審査:共同研究・偶発的所見どうしたらいい?
座長:加藤 和人(大阪大学)
S3-1. 国立がん研究センターにおけるクリニカルシークエンス体制と課題
河野 隆志(国立がん研究センター)
S3-2. ゲノム解析研究倫理審査関係者と考えた多施設・共同研究の課題-ゲノム支援ゲノムELSIユニットの体験から
山本 奈津子(大阪大学)
10:40~12:10 特別講演 これからの研究機関ガバナンス~機関の長に求められること
講演1:末松 誠(日本医療研究開発機構)
講演2:楠岡英雄(大阪医療センター)
 座長:位田隆一(同志社大学)
12:10~12:45 ポスター発表(17演題、ポスターは終日掲示)

<午後の部>

13:40~14:55 海外招聘講演1 Ethical Review in the United Kingdom
演者:Andrew George, Ph.D. (Brunel univ., NREAP)
座長:武藤香織(東京大学)
15:05~16:20 海外招聘講演2 Making Ethical Scientific Progress
演者:Jeremy Sugarman, MD, MPH (Johns Hopkins univ., PRIM&R)
座長:吉田雅幸(東京医科歯科大学)
16:30~17:50 セッション4 臨床研究倫理教育のこれから
座長:松井 健志(国立循環器病研究センター)
   笹栗 俊之(九州大学)
S4-1. 臨床研究の倫理教育:医学倫理研究室での試みの現状と課題
會澤 久仁子(国立循環器病研究センター)
S4-2. ICRwebにおける臨床研究倫理教育
山本 精一郎(国立がん研究センター)
指定発言
臨床研究に携わる研究者等が心得るべきこと
内田 英二(昭和大学)
セッション5 拡大版・研究倫理支援者懇談会
座長:神里 彩子(東京大学)
S5-1. 支援者懇談会と当会が実施したアンケート調査結果について
神里 彩子(東京大学)
S5-2. 研究倫理ガバナンスのあり方
岩江 荘介(宮崎大学)
S5-3. Q&Aコーナー
セッション6 ディオバン事件後の利益相反
座長:飯島 祥彦(名古屋大学)
S6-1. 名古屋大学の利益相反管理
植村 和正(名古屋大学)
S6-2. 医学系アカデミアにおけるCOIマネジメントの課題と改善にむけた取組み
飯田 香緒里(東京医科歯科大学)
18:30~20:00
(予定)
懇親会

 

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日本人類遺伝学会第4回GMRCアドバンストセミナー(1/31)

2015/12/02

日本人類遺伝学会第4回GMRCアドバンストセミナーの開催が決定しました。
GMRCの方は、セミナーご案内ページ内の申込みフォームよりお申込みください。皆様のご参加をお待ちしております。

第4回GMRCアドバンストセミナーのご案内

日時: 2016(平成28)年1月31日(日)10時~17時(予定)
場所: 東京大学医科学研究所 2号館2階大講義室(東京都港区白金台4-6-1)
対象: GMRC有資格者。
席に余裕があればGMRC有資格者以外の受講も受け入れます。
受講料: GMRC有資格者 8,000円/GMRC以外の方 10,000円
お弁当代:1,200円(希望者のみ。お茶付)
プログラム
(演題は全て仮題):
  1. 試料収集後、研究はどのように進められるか?
    (千葉大学大学院医学研究院公衆衛生学 羽田 明)
  2. 久山町研究と認知症コホート研究
    (九州大学大学院医学研究院附属総合コホートセンター 二宮利治)
  3. ゲノム医療の実現に向けた施策のいま
    (東京大学医科学研究所公共政策研究分野 武藤香織)
  4. 遺伝子検査ビジネスの認定制度について
    (NPO個人遺伝情報取扱協議会 認定制度運営委員会 武安岳史)
  5. 創造的手法(即興・演劇・対話)を用いた体感型相互学習スタイル「ドラマチックコミュニケーション」研修 第2弾
    (株式会社MANY ABILITIES 野原秀樹)
詳細・お申込み: http://gmrc-jshg.com/seminar.html

○本セミナー参加によるポイント:15ポイント

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【院生室より】東京生命・医療倫理研究会に参加しました

2015/11/26

こんにちは。M1の佐藤です。
一気に寒くなり、朝起きるのがつらくなってきました。

少し前のことのご報告になってしまうのですが、11月15日(日)に「東京生命・医療倫理研究会」に参加しました。
この研究会は今回が第1回目の開催で、発表者の方は11月28日と29日に開催される生命倫理学会の内容を、より少人数での中で発表してくださいました。
発表内容は生殖補助医療に関するもので、ディスカッションも活発な研究会でした。なかなか学内で生命倫理の研究会に参加するチャンスがないため、非常に貴重な機会となりました。

主催者の方とお話したところ、今後も機会があれば若手の研究者が発表する場にしていきたいとおっしゃっていました。いつか発表できる日を目指してがんばります!

朝晩が冷えますので、風邪などにお気をつけてお過ごしください。

(M1 佐藤桃子)

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第71回 ジャーナルクラブ記録

2015/11/20

第71回(2015年11月20日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

神里:
報告「全員加盟制医師組織による専門職自律の確立」-国民に信頼される医療の実現のために-
平成25年(2013年)8月30日
日本学術会議
医師の専門職自律の在り方に関する検討委員会

永井:
A One-Page Summary Report of Genome Sequencing for the Healthy Adult.
Jason L. Vassy, Heather L. McLaughlin, Calum A. MacRae, Christine E. Seidman, Denise Lautenbach, Joel B. Krier, William J. Lane, Isaac S. Kohane, Michael F. Murray, Amy L. McGuire, Heidi L. Rehm, Robert C. Green, for the MedSeq Project.
Public Health Genomics.18:123-129.2015

高嶋:
Patient-Funded Trials: Opportunity or Liability?
Danielle Marie Wenner, Jonathan Kimmelman, Alex John.
Cell Stem Cell.17(2):135-137.2015

藤澤:
『遺伝子診断の未来と罠-こころの科学』
増井徹・齋藤加代子・菅野純夫編.日本評論社.2014.
より
「遺伝情報のもつ『固有性』とは」
白井泰子.18-22.
「遺伝子検査技術のABC−−2.遺伝子検査規制の立場から」
堤正好.40-47.
「遺伝学的検査の結果をどう解釈し、伝達するか」
山内泰子.18-22.

佐藤:
Prenatal Diagnosis for“Minor” Genetic Abnormalities is Ethical.
Robert J. Boyle, Julian Savulescu.
The American Journal of Bioethics.3(1):60–65.2003.

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研究倫理研修会「データ共有時代の倫理的課題と個人情報保護」のご案内(12/2)

2015/11/20

こんにちは、特任研究員の高島です。

このたび、本教室が携わっておりますAMED『次世代がん研究シーズ戦略的プログラム』に関連して、表題の研修会を開催することとなりました。

テーマは「データ共有時代の倫理的課題と個人情報保護」です。
ゲストスピーカーには、バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC)の川嶋実苗様をお迎えします。

年末のご多忙な時期とは存じますが、ご関心のある皆様に、是非ご参加いただけましたら幸いです。

日時: 平成27年12月2日(水)14:30~16:30
場所: コンベンションルーム・AP品川 7階 会議室
〒108-0074 東京都港区高輪3-25-23 京急第2ビル
プログラム:
  1. NBDCヒトデータベース運営において直面する倫理的問題
    (川嶋 実苗氏 バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC))
  2. 家族性疾患研究のデータ共有に伴う倫理的課題
    (高島 響子 東京大学医科学研究所公共政策研究分野)
  3. ゲノム医療実現に向けた国の施策について
    (武藤 香織 東京大学医科学研究所公共政策研究分野)
申し込み方法: 11月25日(水)までに、別紙申込書にご記入の上、FAXまたはメールにてご連絡ください。
宛先は申込書をご確認ください。

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

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第70回 ジャーナルクラブ記録

2015/11/06

第70回(2015年11月6日)

本日は、以下の文献が紹介されました。

武藤:
Reporting individual results for biomonitoring and environmental exposures: lessons learned from environmental communication case studies
Julia Green Brody, Sarah C Dunagan, Rachel Morello-Frosch, Phil Brown, Sharyle Patton and Ruthann A Rudel
Environmental Health.13:40.2014

佐藤:
Naturalism and the social model of disability: allied or antiethical?
Dominic A Sisti
Journal of Medical Ethics.41:553–556.2014

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2015年度第6回公共政策セミナー

2015/11/04

本日、2015年度、第6回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2015年11月4日(水) 10時00分~12時30分

発表者: 洪賢秀(公共政策研究分野 特任助教)
タイトル: 韓国社会における個人情報をめぐる諸課題~遺伝情報の利用を中心に

概要:

韓国では、1962年に住民登録法に基づく住民登録番号制度が導入にされ、行政、金融、医療、福祉など社会全般において個人識別目的で広く使用されている。しかし、近年、個人情報漏洩が深刻な社会問題として浮上してきたことから、韓国政府は、「個人情報保護法」を改正(2013)し、不必要に住民登録番号を収集することを禁じた(2014)。本報告では、韓国社会の個人情報の取扱いに関する変化をふまえ、個人情報のなかに位置づけられている遺伝情報をめぐる議論と、一般市民の遺伝情報に関する意識について考察する。

発表者: 藤澤空見子(学際情報学府 文化・人間情報学コース 修士課程2年)
タイトル: 非侵襲的出生前遺伝学的検査(Non-Invasive Prenatal genetic Test:NIPT)をめぐる、認定遺伝カウンセラーとクライエントの関係

概要:

修士論文作成のための調査の中間報告を行う。中間発表(7/1(水))以降、科学技術社会論の先行研究調査、特に専門家と非専門家の科学コミュニケーションに注力して文献調査を進めたことに加え、一般市民を対象とした意識調査の結果分析にも取り組んだ。これらの結果を中心に報告を行う。また、認定遺伝カウンセラーを対象とした質問紙調査・インタビュー調査の準備に現在取り組んでおり、その進捗状況や今後のスケジュールについても述べる。自身の研究報告に合わせて、佐倉研との合同ゼミ合宿(10/3(土)-4(日))や日本人類遺伝学会ポスター発表(10/16(金))でいただいたコメント等も紹介する。

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インタビューのご協力ありがとうございました!(吉田)

2015/11/03

ずいぶんと朝晩冷え込んできました。
最近は出張が多く、この季節はホテルでの乾燥問題が深刻です。
朝起きると声がガラッガラになりますよね?え?わたしだけですか?
こんにちは、特任研究員の吉田です。

さて、以前からパンフレット配布や勉強会等を通じてご協力のお願いをしておりました、「臨床試験・治験参加者さんのインタビュー」が全て終了しましたことをここにお知らせいたします。

北は北海道から、南は大分まで、総勢42名の方々に臨床試験・治験に参加に関するお話を伺うことができました。今回こちらが設定していた条件に合わず、せっかくご連絡くださったにもかかわらずインタビューできなかった方々も含めまして、本当にみなさまありがとうございました。

現在は協力してくださったかたたちの語りの分析作業をおこなっています。その後その語りを第三者の有識者の方たちにチェックしていただき、web掲載いたします。
webの公開は来年の春を予定しておりますので、もうしばらくお待ちください。どうぞお楽しみに!

写真:インタビューで行った先々でご当地ゆるキャラを買っていたらこんなことになってしまいました。

(文責:吉田幸恵)

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【院生室より】インタビュー練習会を行いました

2015/10/31

M2の藤澤空見子です。
秋晴れが続いており、心地いい天気が続いていますね。

先日、M2の李怡然さんと共にインタビュー練習会を開催しました。
私が調査の中でインタビューを行うため、その練習にお付き合いただく形で李さんがご協力してくださいました。(李さん、お忙しい中ありがとうございました!)

学部時代はいわゆる理系の学生だったので、初めてのインタビュー体験ということで、リハーサル前は非常に緊張しました。
終わった後の感想は、まず、予想の10倍疲れたということです。笑
インタビューイーの話す内容と自分のインタビューガイドを照らし合わせながら話を聞く、そしてお話してくださる内容から次へと繋がる質問を考える...という作業を約1時間続けるためには相当の体力がいると気付き、驚きが大きかったです。
その他にも、インタビューイーの今の発言が自分の研究にどう活かされるのかを考えたり、時間配分に気を配ったり...不慣れなこともあり、終始頭がフル回転状態でした。

しかし、インタビューガイドの内容や冒頭説明の仕方など、様々な点で気付きを得ることができ、非常に有意義な経験となりました。
李さんにもフィードバックをいただけたので、今後の参考にさせていただきます。
今回の経験を活かし、インタビュー調査関連の資料の修正に着手していきたいと思います!

(M2・藤澤空見子)

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「研究倫理を語る会」(12/12)にぜひ参加してください!(武藤)

2015/10/30

我が国における医学系研究の発展のためには、科学的側面と同時に、倫理的側面の妥当性が十分吟味される必要があります。そのためには、臨床研究および研究倫理審査の支援体制のさらなる充実が不可欠です。

また、現在、倫理審査委員会の標準化や認定制度の導入が検討されていますが、倫理審査の現場で遭遇する様々な問題の対応には多くの施設で苦慮しているのが現状です。こうした現状は、各施設で研究倫理に携わる人々が一堂に会し、意見交換する機会に恵まれてこなかったことが大きな一因と考えられます。

そこで、この度、「研究倫理を語る会」を平成27年12月12日(土)に東京医科歯科大学(東京都文京区)にて開催することになりました。この催しの目的は、医学系研究を支える様々なステークホルダー(研究機関の長・研究者・医療者・研究支援者・研究倫理支援者・CRC・倫理審査委員会委員・倫理審査委員会事務局員・患者・企業等)が一堂に会し、多方面からの討論ができる時間をつくること、そして、臨床研究支援・研究倫理支援に携わる方々の情報共有・意見交換の場を設けることです。この催しを通じて、研究倫理に関連する様々な学協会が緩やかな連携を目指した協議会が発足し、研究倫理に関わる人材育成や生涯研修の場になれば、これほど嬉しいことはありません。

「研究倫理を語る会」の趣旨をご理解いただき、幅広くご案内を賜りたく、ここにお願い申し上げる次第です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

東京医科歯科大学生命倫理研究センター 吉田雅幸
東京大学医科学研究所公共政策研究分野 武藤香織

■「研究倫理を語る会」チラシ&タイムテーブルはこちらです。

■「研究倫理を語る会」ウェブサイトより事前申し込みをお願いいたします。
また、ポスター演題のお申し込み、まだ受け付けております。自施設でのお取り組みのご紹介や問題提起など、お気軽にどうぞ! 11月15日(日)事務局必着でお願いいたします。

【「研究倫理を語る会」世話人会】 吉田雅幸 (東京医科歯科大学・代表)
武藤香織 (東京大学・副代表)
飯島祥彦 (名古屋大学)
板井孝壱郎(宮崎大学)
市川家國 (信州大学)
勝原裕美子(聖隷浜松病院)
加藤和人 (大阪大学)
笹栗俊之 (九州大学)
澁谷和俊 (東邦大学)
田代志門 (国立がん研究センター)
森下典子 (国立病院機構大阪医療センター)
山下紀子 (国立がん研究センター)
【協賛】 医学系大学倫理委員会連絡会議
日本医師会
日本臨床試験学会
日本製薬工業協会
日本医療機器産業連合会
株式会社ビッグバン
CITI Japan プロジェクト(事業統括 福嶋義光)
ICR臨床研究入門(研究代表者 山本精一郎)
【後援】 日本医学会連合
全国医学部長病院長会議
日本医療研究開発機構
文部科学省(予定)

(2015.10.15時点)

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神里 彩子・武藤 香織 編集 『医学・生命科学の研究倫理ハンドブック』(東京大学出版会)を上梓しました(神里)

2015/10/21

近年、度重なる研究不正の発覚を通して「研究倫理」が社会的に注目されています。
そして、研究不正の再発防止策として研究倫理教育の重要性が叫ばれ、研究倫理に関する研修やe-learning等の受講が公的研究費申請条件にもなりました。
一昔前は、「面倒臭い、研究を妨げるもの」として研究者から嫌われ者だった研究倫理。それが、ここ1~2年で急に株を上げ、今や研究者が異口同音に「大切!重要!」と言っています。
でも、なぜ大切であり、重要なのでしょうか?
「科研費申請に必要だから....」、心の中でそうつぶやく研究者は残念ながら多い気がします。
何のために研究倫理を学ぶ必要があるのか、この点への理解がなければ研修や講義はただただつまらない時間になってしまいます。

公共政策研究分野では、研究倫理に関する研究を進めるとともに、さまざまな大学や研究機関での講義、また、研究者への研修にも数多く携わってきました。特に東京大学大学院創成科学研究科においては、科目「研究倫理・医療倫理」を毎年担当させていただき、未来の医学・生命科学を担う学生に話をする機会を得てきました。
そうした中、医学・生命科学研究分野の学生や若手研究者が「研究倫理」に対してマイナスなイメージを抱くことなく、「研究倫理」と仲良く付いながら研究できるように導くことがとても大切であると気づきました。仲良くお付き合いするには、まず相手のことを知らなければなりません。そこで、「研究倫理」に関する基本的な知識と感覚を学生や若手研究者に身につけてもらえる教科書を作りたい、そんな思いで作ったのが本書です。

本書は3部構成になっています。第1部「人を対象とする医学・生命科学研究に関する倫理の基礎知識」では、研究倫理が誕生した歴史や、研究に人体試料を用いる場合の倫理的取り扱い、研究対象者(被験者)からのインフォームド・コンセントの取得方法、また、日本における人を対象とした研究の倫理的ルールの枠組みなど、研究倫理の「いろは」について解説しました。
第2部「研究領域特有の倫理」は、応用編として、ゲノム医学研究や調査研究、臨床試験、幹細胞研究、脳神経科学研究といったそれぞれの研究領域に固有の倫理的配慮事項について、また、動物実験における倫理を紹介しています。
そして、第3部「研究者としての倫理」では、実験が終了した後に研究者がとるべき行動や適正な研究発表、研究活動の信頼性を得るための行動など、研究者として行うべき倫理的行動について学べるようにしました。
また、それぞれのレクチャーには、関連する事柄をコラムとして入れています。

「研究倫理はなぜ重要なのか?」、このハンドブックを読んでいただければ、きっと答えが見つかるはずです。全編口語体にしていますので、手軽に読んでいただけると思います。
また、研究者以外の方にも、研究倫理とはどういうものかを知るのにお役立ていただければ幸いです。

東京大学出版会の住田様の多大なるご支援・ご助言がなければ、本書の誕生はあり得ませんでした。この場を借りて厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました!

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2015年度第5回公共政策セミナー

2015/10/07

本日、2015年度、第5回目の公共政策セミナーが開かれました。
内容は以下の通りです。

◆日時:2015年10月7日(水) 10時00分~12時30分

発表者: 高島響子(医科学研究所 特任研究員)
タイトル: 家族性疾患登録および研究における家系員への倫理的配慮

概要:

【目的】
家族性(遺伝性)疾患では、疾患のメカニズムや関連する遺伝情報を明らかにするために、患者(以下、発端者)に加えて、症状が出現していない血縁者(以下、家系員)も対象とし、ゲノムを幅広く探索するとともに、長期にわたって疾患の発症状況等の情報を追跡する研究が重要である。国際的には、複数の疾患において家系員登録が日本よりも先行して構築されてきた。近年、国内でも家族性アルツハイマー病や遺伝性乳癌・卵巣がん症候群、家族性膵腫瘍等において登録制度の構築が進んでいる。しかし、家族性疾患に配慮した長期追跡に関する倫理的課題の抽出と対応は十分ではない。そこで本報告では、国内外の研究倫理指針を踏まえながら、対象者の選定から登録過程、追跡研究の実施中に渡って生じうる倫理的問題について検討し、研究者に求められる対応を考察する。

【方法】
文献的検討及び国内の事例検討をおこなった。

【結果】
登録対象の家系員は、一般集団よりも高い確率で将来疾患を発症する可能性があり、登録過程を通じて自身の疾患リスクを知る可能性があるという点で通常の研究対象者よりも脆弱性を有した存在といえる。したがって、登録参加のインフォームド・コンセントを得る前にまず、登録対象となった理由と連絡方法について研究者から(場合によっては発端者を介して)情報提供される必要がある。とりわけ疾患によって「家族性」といっても遺伝形式や浸透率が異なる場合があることから、対象登録制度における「家族性」の意味を明確にすることが重要である。追跡期間中では、研究開始時には未知であったゲノム医学上の知見が明らかになる場合の個人の遺伝情報の取扱い、家系員に疾患が発症した場合の対処が重要と考えられた。

【考察】
研究者は、家族性疾患の家系員が有する脆弱性、個々の対象疾患および登録制度の特徴、追跡期間が長期に渡ることに配慮し対応方法を検討することが求められる。

発表者: 李 怡然(大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース 修士課程2年)
タイトル: 子を対象とする医学系研究の告知とアセント―出生コホート研究を事例に―

概要:

近年、環境が小児の健康と発達に与える影響への関心から、親子を長期的に追跡する出生コホート研究と呼ばれる観察研究が世界的な規模で実施されている。出生前に親が子の研究参加に同意するため、成長後にいつ・どうようにして子本人の意思確認(インフォームド・アセント)を行うかが倫理的な課題の一つとして指摘されてきた。しかし、先行研究ではアセントの前提として子に研究参加の事実を知らせる告知の段階については十分考察に至っていない。そこで本研究では、研究参加者の親と研究に携わる専門家がもつ告知の意図やその差異を明らかにするために、インタビュー調査を実施した。今回のセミナー発表では、研究参加者を対象とした構造化面接・半構造化面接および専門家を対象とした半構造化面接について、結果の中間報告を行う。

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【院生室より】佐倉研と合同ゼミ合宿を行いました

2015/10/04

M1の佐藤桃子です。
ここ数日は気持ちよく晴れて、秋らしい日が続いていますね。

先日、学際情報学府の佐倉統先生の研究室と、合同で1泊のゼミ合宿を開催しました。
武藤研からは武藤先生、院生3名、内定生1名が参加し、M2の先輩方は修論構想の発表を、それ以外の参加者は自身の研究の紹介を行いました。

訪れた東大施設の山中寮はとても良い環境の綺麗な施設で、充実した1泊2日となりました。
特に発表後のディスカッションは非常に盛り上がり、佐倉研の方と共通の問題意識が見つかるなど、多くの刺激を受けることができました。
また、夜の懇親会では来年度から研究室に来る内定生とも交流できました。

武藤研での合宿は初めてだったそうですが、来年度も継続していければと思っています!

(M1 佐藤桃子)

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