9月の公共政策セミナー
2026/09/09
2026年9月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。
◆日時: 2026年9月9日(水)13:30~
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)
◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催
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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
報告1
報告者:永井亜貴子(新領域創成科学研究科 特任助教)
タイトル:
遺伝情報の利用に関する遺伝差別の認識
~ 市民を対象としたシナリオベースの量的調査 ~
要旨:2023年に施行された「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律」(ゲノム医療推進法)では、ゲノム情報による不当な差別等への適切な対応が求められている。
しかし、遺伝情報の利用やそれに関連する行為が、どのような状況において「遺伝差別」と認識されるのかについては、十分に明らかになっていない。
本報告では、2026年3月に市民を対象として実施した遺伝情報を利用するシナリオを用いた遺伝差別に関するインターネット調査の結果を報告する。
⇨指定発言: 村上文子(学際情報学府 博士後期課程学生)
報告2
報告者:木矢幸孝(医科学研究所公共政策研究分野 助教)
タイトル:ゲノム情報による不当な差別を質的調査から考える
要旨: 2023年6月に成立したゲノム医療推進法は、ゲノム情報による不当な差別その他ゲノム情報の利用が拡大されることにより生じ得る課題への適切な対応を求めている。一方、2025年11月に策定された「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」では、どのような事例が不当な差別等に該当するのかの整理に関する議論は未だ成熟していないとされる。先行研究では、保険や就労を中心に人びとの遺伝差別(Genetic Discrimination)に関する懸念や経験が記述され、日本でも市民を対象とした量的調査が行われてきた。しかし、ゲノム情報の活用によって生じうる課題を、日本の人びとが何を理由に問題とみなし、あるいはみなさないのかについては、いまだ十分に検討されていない。
そこで本報告では、日本の市民を対象に2026年3月に実施したフォーカスグループインタビュー(FGI)の結果を報告する。就労、保険、婚姻、ソーシャルメディアの各場面を想定したシナリオを提示し、参加者がシナリオ中の人びとの言動をどう受け止め、それをどのような理由から語ったのかを示す。各シナリオで語られた内容を踏まえて、FGIの結果がゲノム情報による不当な差別等をめぐる議論にどのような示唆をもたらしうるかを考えたい。
⇨指定発言: 遠矢和希(医科学研究所生命倫理・医事法研究分野 准教授)