10月の公共政策セミナー

2026/10/15

2026年10月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。

◆日時: 2026年10月14日(水)13:30~
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)

◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催

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〈報告概要(敬称略・順不同)〉

報告1

報告者:渡部沙織(医科学研究所公共政策研究分野 特任助教)

タイトル:難病・ゲノム医療の公的ウェブ情報に関するフォーカスグループ調査と、患者・市民参画(PPI)への参加意向に関するウェブ調査
要旨:医学研究への患者・市民参画(PPI)に関連する二つの調査を報告する。第一に、難病の患者・家族9名を対象に4回のオンライン・フォーカスグループを実施し、公的なウェブ情報に対する経験やニーズを再帰的テーマ分析により検討した。その結果、情報の更新や患者会との連携、専門医療・研究・遺伝カウンセリングへの導線に加え、遺伝や発症リスクに関する情報が家族関係やライフコースのなかで読まれることを踏まえた情報提供の必要性が示された。第二に、20~69歳の一般市民1,012名を対象とするウェブ調査を行い、PPIについて標準化した説明を提示した上で参加意向を尋ね、多変量解析を行った。PPIを事前に理解していた回答者は2.7%にとどまり、参加意向は学歴、市民活動経験、健康への関心、PPIの事前認知、年齢などと独立して関連していた。二つの研究の結果から、PPIを進めるうえでの情報提供と参加機会のあり方について議論したい。

⇨指定発言:大木美代子(新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 修士課程)

報告2

報告者:西 千尋(医科学研究所公共政策研究分野 特任研究員)

タイトル:認知症予防に関するSNS広告の調査研究

要旨: サプリメントにおける広告は、新聞などのメディアを対象としてこれまでも研究されてきた。さらに、認知機能の維持・改善や認知症予防などの効果をうたう成分を含むサプリメントが、数多く市場に流通している。しかしながら、認知症予防をうたうサプリメントのSNS広告を対象とした研究は、重要であるにもかかわらず限られている。本報告では、認知症や認知機能の改善や予防に効果があるとうたうサプリメントがSNS上でどのように広報されているのか、またはどのように言及されているのか、その特徴について検討した現時点での結果を共有する。

⇨指定発言:河田純一(医科学研究所公共政策研究分野 特任研究員)

 

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9月の公共政策セミナー

2026/09/09

2026年9月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。

◆日時: 2026年9月9日(水)13:30~
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)

◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催

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〈報告概要(敬称略・順不同)〉

報告1

報告者:永井亜貴子(新領域創成科学研究科 特任助教)

タイトル:
遺伝情報の利用に関する遺伝差別の認識
~ 市民を対象としたシナリオベースの量的調査 ~
要旨:2023年に施行された「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律」(ゲノム医療推進法)では、ゲノム情報による不当な差別等への適切な対応が求められている。
しかし、遺伝情報の利用やそれに関連する行為が、どのような状況において「遺伝差別」と認識されるのかについては、十分に明らかになっていない。
本報告では、2026年3月に市民を対象として実施した遺伝情報を利用するシナリオを用いた遺伝差別に関するインターネット調査の結果を報告する。

⇨指定発言: 村上文子(学際情報学府 博士後期課程学生)

 報告2

報告者:木矢幸孝(医科学研究所公共政策研究分野 助教)

タイトル:ゲノム情報による不当な差別を質的調査から考える

要旨: 2023年6月に成立したゲノム医療推進法は、ゲノム情報による不当な差別その他ゲノム情報の利用が拡大されることにより生じ得る課題への適切な対応を求めている。一方、2025年11月に策定された「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」では、どのような事例が不当な差別等に該当するのかの整理に関する議論は未だ成熟していないとされる。先行研究では、保険や就労を中心に人びとの遺伝差別(Genetic Discrimination)に関する懸念や経験が記述され、日本でも市民を対象とした量的調査が行われてきた。しかし、ゲノム情報の活用によって生じうる課題を、日本の人びとが何を理由に問題とみなし、あるいはみなさないのかについては、いまだ十分に検討されていない。

 そこで本報告では、日本の市民を対象に2026年3月に実施したフォーカスグループインタビュー(FGI)の結果を報告する。就労、保険、婚姻、ソーシャルメディアの各場面を想定したシナリオを提示し、参加者がシナリオ中の人びとの言動をどう受け止め、それをどのような理由から語ったのかを示す。各シナリオで語られた内容を踏まえて、FGIの結果がゲノム情報による不当な差別等をめぐる議論にどのような示唆をもたらしうるかを考えたい。

⇨指定発言: 遠矢和希(医科学研究所生命倫理・医事法研究分野 准教授)

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【院生室より】MIサマーフェスタに参加しました

2026/08/30

先日MI(メディカル情報生命専攻医療イノベーション) サマーフェスタに初めて参加させていただきました。
新領域創成科学研究科医療イノベーションコースでは毎年夏に所属する学生の研究内容を発表・共有する場としてMIサマーフェスタを開催しています。

当日は多くの研究室の先生方や学生の皆さんよりアドバイスをいただき、大変感謝です。
議論を通じて自分が専門的に研究している内容をいかに周りにわかりやすく説明することが大切か、改めて学ばせていただきました。
また発表でのディスカッションの中で新たな視点や関連の手法もご紹介いただき、大変刺激になりました。

そして発表後ほかの研究室の方々含め交流をする機会があり、研究への理解をさらに深めることができました。
今後みなさんからいただいた貴重な知見をもとに、より一層研究に励んでいきたいと思います。

(文責・新領域創成科学研究科M1 楊)

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【院生室より】2026年度学際情報学府修士論文中間発表会を終えました

2026/08/28

2026年7月22日、23日に、学際情報学府の修士論文中間発表会が行われました。
学際情報学府の修士論文中間発表会は、学府に所属する修士課程2年の学生を対象に行われるもので、主査(指導教員)1名と副査2名、計3名の先生方の前で、これまでの研究の進捗や今後の研究計画について発表します。
今年度、武藤研究室からは方が発表を行いました。
発表に向けては、研究室でのゼミや面談を通して、研究の背景や構成、今後の調査計画についてご意見をいただきながら準備を進めました。準備の中では、限られた発表時間の中で、どの情報を残し、どこまで説明するのかを考える難しさも改めて感じました。
当日は、先生方から多くの貴重なコメントをいただきました。発表時間の使い方や情報量のバランスについてのご指摘に加え、現在の研究で不足している点や、今後さらに検討する必要がある点についても気づくことができました。自分の研究を少し離れた視点から見直すことができたという意味でも、とても有意義な機会だったと感じています。
今後は、インタビュー調査を本格的に進めていく予定です。また、今回いただいたご意見を踏まえ、研究上まだ十分に整理できていない点についても一つずつ見直しながら、修士論文の完成に向けて進めていきたいと思います。
(文責・学際情報学府M2 方)

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【院生室より】高校生の研究室見学がありました

2026/08/27

夏休みを利用して、三重県にある高田高等学校の生徒さんが、医科学研究所の研究室見学にいらっしゃいました。
公共政策研究分野でも、生徒さん2名と引率の先生1名をお迎えしました。 

今回は、公共政策研究分野で取り組んでいる研究を広く知っていただきたいと考え、研究室メンバーが関わっている以下の研究内容について、それぞれ簡単な紹介を行いました。
・認知症の超早期予測・予防における倫理的・法的・社会的課題(ELSI)
・ゲノム情報による不当な差別
・高齢者の意思決定支援

続くオープンディスカッションでは、鋭い質問が出され、紹介した研究内容を、ご自身の関心に結びつけて理解を深めてくださっている様子でした。

1時間という短い時間でしたが、我々にとっても大変勉強になりました。
参加してくださった皆さま、どうもありがとうございました! 

(文責・学際情報学府D1 村上)

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Research Involvement and Engagement誌に、難病・希少疾患研究のPPIに関する論文が掲載されました(渡部・武藤・永井・木矢)

2026/08/25

特任助教の渡部です。

国際学術誌 Research Involvement and Engagement に、難病・希少疾患研究における患者・市民参画(PPI:Patient and Public Involvement)について、患者・家族を対象に実施したオンライン質問紙調査の論文が掲載されました。

英文タイトル:
Awareness and perceptions of patient and public involvement in rare disease research in Japan: the role of patient advocacy groups and family members

タイトル和訳:
日本の希少疾患研究における患者・市民参画の認知と受け止め方――患者会と家族の役割

著者名:
Saori Watanabe*,#, Kaori Muto*, Akiko Nagai, Hideki Yui, Yukitaka Kiya
(*共同第一著者、#責任著者)

掲載誌: Research Involvement and Engagement
掲載巻・記事番号: Volume 12, Article 125 (2026)
DOI: https://doi.org/10.1186/s40900-026-00955-9
論文URL: https://link.springer.com/article/10.1186/s40900-026-00955-9

東京大学医科学研究所 プレスリリース
「難病・希少疾患研究に、患者と家族はどう参画できるのか――医学研究への『患者・市民参画(PPI)』について、難病・希少疾患の患者・家族212名にオンライン調査――」
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00412.html

 

近年、医学研究の計画や実施の段階から患者・市民が関与する「患者・市民参画(PPI)」が国際的に広がってきており、日本でも2019年に日本医療研究開発機構(AMED)が「患者・市民参画(PPI)ガイドブック」を公表するなど、研究費や一部の疾患ごとの政策の枠組みに取り入れられてきました。一方、国内の取り組みは主に研究者に向けられたものであり、患者や家族の側がPPIをどのように受け止めているかを直接調べた研究は限られていました。

とりわけ患者数が少ない難病・希少疾患は、診断や治療の改善が研究の進み方に大きく左右される領域です。同時に、患者や家族と研究とをつなぐ役割を患者会(患者アドボカシー団体)が担ってきました。そこで本研究では、難病・希少疾患の患者と家族が、PPIをどの程度知っているか、どのようなメリットと障壁を感じているか、どのような支援を必要としているかを調査しました。

2021年12月から2022年4月にかけて、難病患者・家族の全国的なネットワーク2団体を通じてオンラインによる質問紙調査を実施し、難病・希少疾患の患者本人101名、家族111名の計212名の回答を分析しました。

その結果、調査前から「患者・市民参画」という言葉を知っていた人は29.7%、実際にPPIに関わった経験のある人は20.8%でした。性別、学歴、患者本人か家族か、患者会への参加について検討したところ、PPIの認知と関連していたのは患者会への参加のみでした。ただし、患者会に参加している人でも66.9%はPPIを知らず、患者会や患者コミュニティという経路には、PPIに関する情報や参画の機会を伝えるうえで、さらに活かせる余地があることが示されました。

また、ほぼすべての回答者がPPIに何らかのメリットがあると答え、最も多かったのは「疾患の研究が進展するかもしれない」(84.9%)という期待でした。PPIを進めるために必要な支援としては、「PPIの情報の社会一般への周知」(69.3%)、「患者・家族に対する教育の機会」(68.9%)、「医療機関などでの情報の掲示」(68.9%)が多く挙げられました。

患者本人と家族を比較すると、PPIのメリット、障壁、必要な支援の3つの領域それぞれで、一部の項目に違いがみられました。家族は患者本人に比べて、疾患の研究が進展することや患者・家族の視点がより生かされることをメリットとして挙げる割合が高い一方、医学や研究に関する知識が足りないことを障壁として挙げる割合や、「患者・家族に対する教育の機会」を必要な支援として挙げる割合も高くなっていました。

これらの結果は、難病・希少疾患の患者と家族がPPIに価値を認めていながら、情報やサポートが十分に届いていないことを示唆しています。難病・希少疾患領域でPPIを実質的なものにするためには、PPIを制度上「推進する」と定めるだけでなく、情報提供、学びの機会、患者会や患者コミュニティへの支援を、参画の前提条件として位置づけることが重要です。また、患者本人と家族を一括りにせず、それぞれの立場に応じた参画の機会と支援を用意することも求められます。

 

*本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)(JP25oa0439006、JP22bm0904002)、厚生労働行政推進調査事業費補助金(26FC2003)、日本学術振興会科学研究費助成事業(JP26K05274)の支援を受けて実施しました。

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BMC Medical Ethics 誌に、過去の医療・福祉記録の保存・利活用に関する論文が掲載されました(渡部)

2026/08/21

特任助教の渡部です。

国際学術誌 BMC Medical Ethics に、渡部沙織(第一著者兼責任著者)、後藤基行さん(立命館大学)、赤司友徳さん(九州大学)、鈴木裕貴さん(立命館大学)、松原洋子さん(立命館大学)による共著論文が掲載されました。

英文タイトル:Governing healthcare records of past medical injustice beyond consent-based research ethics: a cross-sectional survey of public attitudes toward purpose, proximity, and stewardship in Japan

タイトル和訳:同意に基づく研究倫理を超えた、医療をめぐる過去の不正義に関わる記録のガバナンス:利用目的、本人・家族との近接性、スチュワードシップに関する日本の一般市民の横断調査

著者名:Saori Watanabe, Motoyuki Goto, Tomonori Akashi, Yuki Suzuki, Yoko Matsubara

掲載紙:BMC Medical Ethics

掲載日:2026年8月12日

DOI:10.1186/s12910-026-01571-8

URL:https://link.springer.com/article/10.1186/s12910-026-01571-8

*現在はオンライン先行公開のため、巻・記事番号等は未付与です。正式な書誌情報が付与され次第、追記します。

 

過去の医療・福祉の実践や政策を検証し、旧優生保護法のような重大な倫理的事象の実相を明らかにするためには、一次記録の保存と研究利用が欠かせません。こうした検証は、過ぎ去った出来事を確かめるだけのものではなく、現在の研究倫理や健康・医療データの扱い、疾病や障害をめぐる政策、被害救済や再発防止のあり方を考える基盤にもなりえます。しかし、過去の医療・福祉に関する記録には、疾患や障害、生殖、入院・入所歴、家族関係、社会経済的状況など、きわめてセンシティブな情報が含まれます。利用の仕方によっては、本人や家族、子孫にプライバシー侵害、差別、心理的苦痛などの新たな被害をもたらすおそれがあります。また、記録された本人がすでに亡くなっているなど、研究利用について改めて同意を得ることが難しい場合も少なくありません。こうした記録を誰が、どのような目的で保存・利用することが望ましいのかは、これまで十分に検討されてきませんでした。

本研究グループは、こうした過去の医療・福祉の資料の保存と研究利用について、一般市民が何を重視し、どのような条件で受け入れるのかを調べました。全国の20~69歳1,143名を対象にした調査で、86.8%が資料の保存を支持しました。一方、保存に反対した人が多く挙げたのは、将来の利用目的が分からないことと、プライバシーへの懸念でした。記録を研究などに利用する場合の受け入れやすさは目的によって異なり、医学研究は比較的広く受け入れられた一方、人文・社会科学研究、市民による調査、報道を目的とする利用は、受け入れられる割合が低くなりました。また、本人または存命の家族の情報を含む記録では、個人情報を含まない記録や祖先に関する記録よりも慎重な回答がみられました。

本研究が明らかにしたのは、保存と利用に単純に賛成・反対するのではない、市民の条件つきの判断です。多くの人が記録を残す意義を認めながらも、利用目的、記録が本人や家族にどう関わるか、保管を担う機関に応じて、受け入れ方を変えていました。

これらの結果を踏まえ、研究グループは、医療・福祉の歴史的資料を管理するうえで、少なくとも次の点が重要だと考えています。記録を保存するかどうかと、誰にどの範囲まで利用を認めるかを分けて考えること。医学研究、人文・社会科学研究、教育、ジャーナリズムなど、利用目的ごとに必要性と公益を明確にし、審査する体制を整えること。本人だけでなく、家族、子孫、関係するコミュニティへの影響や関係的プライバシーに配慮すること。独立性と説明責任を備え、継続的に利用を審査できる管理体制を設けること。そして、当事者や家族、障害当事者団体など、記録の利用によって直接影響を受ける人々が、運営や審査の意思決定に参画できるようにすることです。

また、一般市民の意識調査だけでこうした記録の保存・利用の是非を決めることはできません。当事者の方々やその家族、障害のある人々など、記録と深く関わる当事者・コミュニティの意見を尊重し、継続的に対話しながら保存・利用のあり方を検討していくことが重要だと考えています。(渡部)

 

*本研究は、JST-RISTEX 科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題への包括的実践研究開発プログラム (RInCA)「医療・ヘルスケア領域におけるELSIの歴史的分析とアーカイブズ構築」(研究代表者・後藤基行)、日本学術振興会科学研究費助成事業「デジタル・アーカイブを活用した総合的な優生政策史研究」(研究代表者・松原洋子)・「精神衛生法下の措置入院・同意入院の歴史的研究――革新的資料分類の探索と当事者参画」(研究代表者・後藤基行)および「「ヘルスケア政策史研究」領域創成の基盤構築とアーカイブズ整備――PPIの実践と共に」(研究代表者・後藤基行)の成果です。

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The 6th Paula Rantakallio Symposium on Birth Cohorts and Longitudinal Studisにて口頭発表を行いました(松山)

2026/07/15

D3の松山です。 

2026年6月10日にオウル大学(フィンランド)で開催されたThe 6th Paula Rantakallio Symposium on Birth Cohorts and Longitudinal Studisにおいて、"Supporting children's decision-making in a large-scale birth cohort study through staff experiences in the Japan Environment and Children's Study"というタイトルで研究発表を行いました。本研究では、出生コホート研究における子どもの意思決定に着目し、それを支える実践について、出生コホート研究のスタッフを対象としたインタビュー調査を通じて検討した結果を報告しました。

 シンポジウムには、ヨーロッパの出生コホート研究に携わる研究者が多く参加しており、長期的な研究参加を支える要因などについて活発な議論を行うことができました。

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8/7ランチウェビナーのお知らせ:「患者・市民参画(PPI)ガイドブック」のこれからを語ろう!

2026/07/10

Peatixページ:https://peatix.com/event/5083567

 260807_PPIガイドブックのこれからを語ろう_画像小.png

→ フライヤーPDF

AMEDでは、2019年に「患者・市民参画(PPI)ガイドブック」を発行しました。発行から約7年が経過し、医学研究・臨床試験におけるPPIの取り組みは、さまざまな領域に広がっています。

現在、AMED研究倫理・社会共創推進プログラム「持続可能なPPIの導入と普及に向けた基盤構築に関する研究開発」事業では、AMEDの委託を受けて「患者・市民参画(PPI)ガイドブック」の改訂案を検討しています。

今回のウェビナーでは、改訂に向けた検討状況をご紹介するとともに、研究者や患者・市民の皆さんから、今後の「患者・市民参画(PPI)ガイドブック」についてご意見を伺います。当日は、事前アンケートに寄せられたご意見や、ウェビナー中にQ&A機能からいただいたご質問・コメントをもとに、意見交換を行います。また、リアルタイムでのご参加が難しい方にもご覧いただけるよう、後日録画配信を予定しています。

患者・市民参画(PPI)の経験がある方はもちろん、これから関心を持ちたい方、医学研究・臨床試験への患者・市民の関わり方に関心のある方のご参加を歓迎します。ぜひ、事前にPPIガイドブックをお読みの上、ご参加ください!

 

開催概要

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日時   2026年8月7日(金)12:00–13:00

開催方法 オンライン開催(Zoom ウェビナー)

対象   研究者、患者・市民、PPIに関心のある方

参加費  無料

事後配信 あり(後日録画配信を予定)

申込方法 以下のURLよりお申し込みください(申込期限:8/6)

     https://questant.jp/q/260807

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主催:AMED研究倫理・社会共創推進プログラム「持続可能なPPIの導入と普及に向けた基盤構築に関する研究開発」(研究代表者・吉田雅幸/東京科学大学)

研究班ウェブサイト:https://genomeppi.jp/

お問い合わせ先:東京大学医科学研究所 公共政策研究分野(担当:渡部・河田) event@pubpoli-imsut.jp

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7月の公共政策セミナー

2026/07/08

2026年7月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。

◆日時: 2026年7月8日(水)13:30~
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)

◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催

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〈報告概要(敬称略・順不同)〉

報告1

報告者:松山涼子(新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 博士後期課程)

タイトル: 出生コホート研究に参加する子どもの長期的な研究参加の在り方に関する検討

要旨:胎児期から成人期までを追跡し、子どもの成長・発達と環境要因との関連を明らかにする出生コホート研究は、世界各国で実施されている。一方、子どもを対象とすること、観察研究であること、長期にわたり試料・情報を収集・利用することなどの特徴から、出生コホート研究には特有の倫理的課題が存在する。本研究は、出生コホート研究において生じる倫理的課題とその対応を明らかにし、それらを踏まえて倫理ガイドライン策定に向けた示唆を得ることを目的とする。
本研究では、全国規模の出生コホート研究に従事する研究スタッフを対象に半構造化インタビューを実施し、再帰的主題分析を用いて分析した。
スタッフは、研究参加を中止したいと申し出た参加者に対し、困りごとを聞き取り、参加負担を軽減する方法を提案しながら参加継続を支援していた。一方で、そのような働きかけが参加者の自律性や子どもの意思決定を損なう可能性について葛藤を抱いていた。また、学童期検査は子ども本人へ研究内容を説明する重要な機会と認識される一方、その説明が主体的な意思決定の支援となるのか、それとも「言い聞かせ」となるのかについても葛藤が語られた。さらに、子どもの成長に伴い研究参加の主体が親から子どもへ移行する中で、参加児にとっての研究参加の意義や、参加児による参画のあり方が模索されていた。
以上より、出生コホート研究では、参加主体の移行に伴い、研究継続の支援と参加者の自律性の尊重を両立する研究運営が求められることが示唆された。また、参加児によるPPIEは、研究参加者の視点を研究運営へ反映することに加え、参加児が自らを研究参加者として認識し、研究参加の意義を見いだす過程を支える研究運営として位置づけられる可能性がある。

⇨指定発言:木矢幸孝(医科学研究所公共政策研究分野 助教)

 報告2

報告者:武藤香織(医科学研究所公共政策研究分野 教授)

タイトル:研究結果を平易にまとめた概要の公表・説明をめぐる倫理的配慮

要旨:「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」では、研究責任者に対して、期待する結果が得られなかった場合も含め、研究結果の論文等での公表義務を課しており、特定の限られた者しか閲覧等ができないような方法は適切ではないとされている(第6の6及びガイダンス)。また、同指針では、研究参加者に個別の結果を説明する場合の留意点として、旧「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」に由来する「研究により得られた結果等の説明」(第10)が定められているが、研究結果を平易にまとめた概要の取扱いについて言及されていない。研究結果を平易にまとめた概要の例としては、学術論文のプレスリリース、疫学コホート研究等でみられる研究参加者向けのお知らせ、臨床試験・治験での「レイサマリー」などが挙げられ、それぞれ異なる系譜と倫理的基盤を有している。ただし、当該研究の参加者が読む可能性を想定した場合には、配慮すべき点が異なるが、その考え方は明確化されていない。本報告では、研究結果を平易にまとめた概要の公表・説明をめぐって留意すべき点を試行的に論じる。

⇨指定発言:渡部沙織(医科学研究所公共政策研究分野 特任助教)

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【院生室より】第25回東京大学生命科学シンポジウム(BIO UT)でポスター発表を行いました(村上)

2026/06/29

2026年6月20日に浅野キャンパス・武田ホールで開催された、第25回東京大学生命科学シンポジウム(BIO UT)で、ポスター発表を行いました。

BIO UTは、毎年、東京大学において生命科学に携わるすべての研究者および学生が情報交換や親睦を深めることを目的として開催されているイベントです。
今年度も学内15箇所の研究科・研究所から、200名を超えるポスター発表者が参加しました。

武藤研からの発表者は、特任研究員の西さんと村上です。
西さんは「認知症超早期予防における倫理的・法的・社会的課題とその対応策」について、村上は「認知症の人の意思決定能力評価における変遷と課題」について発表しました。

評価委員の先生方が、評価者としてのご興味だけでなく、高齢のご両親がいらっしゃる個人としても興味をもって質問してくださったのが印象に残りました。
初めてのポスター発表でしたが、大変有意義な機会となりました。

(文責・学際情報学府D1 村上)

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雑誌『厚生の指標』(Vol.73 No.6)に共著論文が掲載されました(武藤・木矢・村上)

2026/06/23

厚生労働科学研究班(代表:山縣然太朗先生)でお世話になっている 山﨑さやか先生 が筆頭著者として執筆された論文が、雑誌『厚生の指標』に掲載されました。
タイトルは「高齢者等終身サポート事業者が関与する医療に係る意向表明文書の実態と課題」です。
共著者として、武藤、木矢、村上も関わりました。


本論文は、全国の高齢者等終身サポート事業者を対象としたアンケート調査の結果に基づき、医療に係る意向表明文書の実態と課題を明らかにしたものです。
高齢者等終身サポート事業者による意向表明文書の作成支援の実態を扱った論文は、これまで発表されておらず、本論が初めての報告となります。
貴重な内容ですので、ぜひご一読ください。


(学際情報学府D1 村上)

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6月の公共政策セミナー

2026/06/10

2026年6月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。

◆日時: 2026年6月10日(水)13:30~
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)

◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催

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〈報告概要(敬称略・順不同)〉
報告1

報告者:松﨑友美(新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 修士課程)

タイトル: 修士論文のテーマ検討 ー宇宙において実施する人を対象とする研究の倫理的課題の検討ー

要旨:日本国内における人を対象とする研究は、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針や臨床研究法、GCPなどの倫理的・法的規範の下で実施されている。これらのルールに準拠して実施される研究は、病態の解明や予防法の発見、医薬品・医療機器の開発や有効性の検証を通じて、人の健康やQOLの向上に大きく貢献してきた。 人を対象とする研究の舞台は地上から宇宙へも拡大している。宇宙で実施される人を対象とする研究は、宇宙に滞在する者の健康に直結するだけでなく、地球上とは異なる特殊な環境を活かした実験が可能であることから、大きな期待を集めている。一方で、現在の技術では宇宙滞在者が限られることにより研究対象者が少数となることや、設備や時間に制限がある中でのデータ収集や作業など、地上とは異なる倫理的配慮が求められるケースも少なくない。 いまだ明確なルールが整備されていない新たなフィールドにおいて、研究者が遵守すべき倫理規範や持つべき倫理意識とはどのようであるべきか、倫理委員会事務局業務を行う中で問題意識を持つようになり、今後検討したいと考える。

⇨指定発言: 永井亜貴子(新領域創成科学研究科 特任助教)

 報告2

報告者:大木美代子(新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻 修士課程)

タイトル: バイオバンクにおけるインフォームド・コンセントとカストディアンシップによる制度的信頼構築の可能性

 要旨:近年、ゲノム解析技術の進展や医療データ利活⽤の拡⼤に伴い、バイオバンクは医科学研究の基盤として、試料・情報の長期保存と利活用の重要性を増している。日本では2023年に「ゲノム医療推進法」が成立し、大規模バイオバンクの整備や国際的なデータ共有の推進が進められている。一方、バイオバンクは、研究利用までの時間差や解析技術の進歩、試料・情報共有の拡大などにより、提供時点で将来の利用内容を十分に説明することが本質的に難しく、提供者からの同意は包括同意・広範同意の方法が広く用いられている。しかし、その妥当性や提供者の意思の反映、⾃⼰決定権の保障などについては議論が続いている。そのため近年では、透明性や情報公開、ガバナンス強化を通じて提供者からの信頼を確保し、同意を補完しようとする議論も多く見られる。しかし、ガバナンスを強化するだけで本当に提供者の信頼に値する運営が実現されるのかという問題もある。本発表では、発表者が本研究に興味を持った背景と、山本らが提案するカストディアンシップ概念等を踏まえ、バイオバンクが試料・情報を託されたものとしてどのように管理し、提供者の信頼を確保しうるか今後考えていくことを紹介する。

⇨指定発言:飯田 寛(医科学研究所公共政策研究分野 特任研究員)

 

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5月の公共政策セミナー

2026/05/13

2026年5月の公共政策セミナーは、以下の通り、行われました。

◆日時: 2026年5月13日(水)13:30~
(1報告につき、報告30min+指定発言5min+ディスカッション)

◆場所: 東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター3階
公共政策研究分野 セミナー室/Zoom併用開催

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〈報告概要(敬称略・順不同)〉

◆報告
報告者:楊中希(大学院新領域創成科学研究科 修士課程学生)

タイトル:倫理審査委員会におけるAI活用の可否性および検討事項

要旨:

近年倫理審査委員会の運営において集約化の動きが顕著になりつつある。一括審査による質の担保につながる可能性がある一方で、意思決定権が単一の組織に集中することによるリスクや、文書量の増加に伴う精査業務の過重化といった負担面も指定されている。一方現在AIによる業務効率化が様々な業界で報告され多くの事例も公開されている。そのためAI が審査プロセスのどの部分に寄与しうるのか、またその導入が審査の質等にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることは、今後の倫理審査委員会の実務運用を検討する上では重要であると考える。本発表では先行研究や海外での実際の導入事例を考察し、今後AIがどのように倫理審査委員会における運用制度や実務へ補助となりうるかを探るかを検討する基盤的検討と位置づける。

 

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書籍『実践から学ぶ医療社会学――人びとは「医学的知識」とどのように向き合っているのか』を刊行しました(李、河田、木矢)

2026/04/27

『実践から学ぶ医療社会学 人びとは「医学的知識」とどのように向き合っているのか』(ナカニシヤ出版)を刊行しました。李は編者として、木矢は編著者として、河田は著者として参加しています。 

本書の関心は、サブタイトルにもあるように、人びとが「医学的知識」とどのように向き合っているのかにあります。私たちは、患者として診断を受け病気と向き合うとき、あるいは家族の病気について調べるときに、医学的知識と向き合っているといえます。しかしそれだけではなく、風邪をひいて市販薬を手にとるとき、外出から帰って手を洗うとき、日常のなかにも医学的知識とのかかわりは潜んでいます。本書はそうした営みを、インタビューやエスノメソドロジーといった質的研究の手法を通じて丁寧に解きほぐしていこうとする一冊です。

本書は、がんや遺伝性疾患の患者・当事者の経験を扱う第Ⅰ部と、精神科医やフライトナースなど専門家の現場実践を扱う第Ⅱ部で構成されています。李は第Ⅰ部ナビゲーションを、河田は第2章を、木矢は第4章をそれぞれ執筆しており、各章の末尾にはそれぞれコラムも寄稿しています。

第2章「私たちはいかにして『AYA世代』となったのか――新たなカテゴリーの成立とメンバーシップの再構成」では、がん医療において、思春期及び若年成人期のがん患者や経験者を指す「AYA世代」に注目します。本章では、医療における「AYA世代」の発見と普及の経緯と日本のがん対策における制度化の過程をたどるとともに、若年がん患者会の会報誌の分析を通じて、「若年がん患者」から「AYA世代」へと移行する語りの変化を検討します。A.ギデンズの再帰性概念を手がかりに、知識・制度・当事者の経験が相互に関わりながら再構成されていく過程を紐解きます。

第4章「保因者と医学的・遺伝学的知識――保因者の思考と遺伝学的リスクの捉え方」では、本人は発症しないものの次世代に原因遺伝子を受け継がせる可能性のある、遺伝性疾患の女性保因者2名を対象に、本人らが遺伝学的リスクをどのように受け止め、結婚や出産の選択をどのように意味づけているのかを探っています。社会学者N.ルーマンの「リスク」と「危険」の概念を手がかりに、2名の語りを対比的に検討することで、保因者の思考のあり方や、遺伝学的リスクの捉え方の多様性を描き出しています。

また本書は、卒論・修論の執筆を念頭に置いたテキストとしての側面も持っており、各章が「問い→調査→分析→考察」という論文の組み立てを学べるよう構成されています。医療社会学を学ぶ学生から、現場で働く医療従事者など、医学的知識と向き合う幅広い方々に手にとっていただけると幸いです。 

目次:

まえがき

序 章 医療社会学の新たな試み(河村裕樹)
 1 「医学的知識と向き合う」社会のなかで
 2 これまでの医療社会学とその課題
 3 医療化論と「仮面はがし」の説明図式の持つ課題
 4 医学的知識との多様な向き合い方を記述するために
 5 本書のねらい

第Ⅰ部 当事者の経験・共同性・知識のやりとり
 第Ⅰ部 ナビゲーション

第1章 乳房再建の選択をめぐる知識と身体的コミュニケーション
 ――再建乳房を見る・触ることの語りから(菅森朝子)
 1 再建乳房が写されたポートレート写真を見せてもらう
 2 乳房再建術とは何か
 3 再建乳房を見る・触るコミュニケーションの実際
 4 再建経験者の再建乳房を見る・触ることの意義

コラム 「あなたは当事者ではないのに、どうしてそんな熱心に私たちのことを知ろうとしているのですか」(菅森朝子)

第2章 私たちはいかにして「AYA 世代」となったのか
 ――新たなカテゴリーの成立とメンバーシップの再構成(河田純一)
 1 カテゴリー化と医療社会学の視点
 2 医療・政策における「AYA 世代」の成立過程
 3 カテゴリーの受容とアイデンティティの再構成――若年性がん患者会の事例から
 4 制度的再帰性のダイナミズム

コラム 自分(たち)のことを研究するということ
  ――当事者性と方法論の選択(河田純一)

第3章 がんゲノム医療の知識と患者会活動
 ――肺がん患者会でのフィールドワークから(齋藤公子)
 1 はじめに
 2 先行研究
 3 調査概要
 4 グループOでのフィールドワークから
 5 おわりに――「患者の知識」がやりとりされる患者会活動の意味とは

コラム セルフヘルプグループ研究とピアサポート論(齋藤公子)

第4章 保因者と医学的・遺伝学的知識
 ――保因者の思考と遺伝学的リスクの捉え方(木矢幸孝)
 1 保因者の経験をめぐって
 2 方  法
 3 保因者の経験――A さんの語り
 4 保因者の経験――B さんの語り
 5 「リスク論的思考」と「リスク/危険」概念にみる保因者の語り
 6 保因者が医学的・遺伝学的知識とともに生きるということ
 
コラム 身体・告知・出産からみる遺伝性の病い(木矢幸孝)

第Ⅱ部 医療・福祉的場面の相互行為
 第Ⅱ部 ナビゲーション

第5章 精神医学的知識との向き合い方
 ――精神科医による実践的推論に着目して(河村裕樹)
 1 精神医学的知識をめぐる諸課題
 2 精神科ケースカンファレンスの調査
 3 実践的推論を跡づける
 4 複数の見立ての並立を可能にする精神科医の実践的推論
 5 精神医学的知識との向き合い方を記述するために

コラム 病院フィールドワーク(河村裕樹)

第6章 多職種協働を対象とした研究のハイブリッド性と専門家のスキルの記述
 ――フライトナースのプレホスピタルケアの実践から(松永伸太朗・池谷のぞみ)
 1 フライトナースの実践から専門家の協働を考える
 2 プレホスピタルケアとフライトナースの実践
 3 ワーク(仕事)の記述とハイブリッド性
 4 プレホスピタルケアの実践的マネジメント
 5 OJT を通したスキル形成とハイブリッド研究

コラム ドクターヘリへの院内救急救命士の同乗事例(松永伸太朗・池谷のぞみ)

第7章 音楽療法の効果はどのように説明されるのか
 ――精神医療における音楽療法に着目して(吉川侑輝・河村裕樹)
 1 「効果」を説明することの難しさ
 2 説明実践への着目
 3 調査の概要
 4 音楽療法の効果はどのように説明されるのか
 5 異なる専門職同士の連携にむけて

コラム 音楽療法のなかの薄い記述、厚い記述
  ――セラピストたちへのインタビューから(吉川侑輝)

第8章 「マルチタスク」はどのように達成されたか
 ――科学技術研究所で働く発達障害者たち(海老田大五朗)
 1 問題の所在
 2 研究方法と研究対象
 3 協働作業の分析
 4 何が「マルチタスク」を可能にしたか
 5 マルチタスクを可能にするのは注意の分散というよりむしろ時間の管理である

コラム 障害者雇用のフィールドワーク(海老田大五朗)

あとがき
索  引

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雑誌「公衆衛生」(Vol.90 No.5)の「特集 公衆衛生」に寄稿しました(武藤)

2026/04/17

新領域創成科学研究科の医療イノベーションコースでご一緒している冨尾 淳先生が編集された、雑誌「公衆衛生」2026年 05月号の「特集 公衆衛生倫理」に「パンデミックでの倫理的課題──WHO倫理・COVID-19作業部会の活動より」を寄稿しました。新型コロナウイルス感染症のパンデミックにおいて、WHOで実施された活動に参加した経験を振り返りました。備忘録として、また次のパンデミックでの対応にお役に立てばと思います。ぜひご覧ください。

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2026年度活動報告会/研究室説明会のお知らせ(5/9 AM)

2026/04/16

当研究室主催の、2026年度活動報告会/研究室説明会を開催いたします。 

公共政策研究分野のメンバーより、取り組んできた研究テーマや活動について、紹介いたします。 
また、大学院への進学先として、この研究室にご関心がある方への研究室説明会も兼ねています。

※大学院への進学をご検討されている方は、こちらのページもご覧ください。 

◆開催日時:2026年5月9日(土)10:00~12:15 頃 (予定) 

◆参加方法:オンライン会議システムZoomを利用(進学希望者は対面参加可)

◆当日の内容

  1. 当研究室の紹介、大学院の案内
  2. 研究室メンバーによる最近の活動報告
    (※順不同。報告テーマは仮のものであり、後日変更の可能性があります) 
  • 「身寄り」のない高齢者の医療に関わる意思決定支援 
    村上 文子(大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース 博士後期課程) 
  • 出生コホート研究における母親の参加経験の検討 
    松山 涼子(大学院新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 博士後期課程) 
  • 非HIV/AIDS領域の臨床試験におけるPLWH(HIVとともに生きる人々)の包摂:現状と課題 
    島﨑 美空(東京大学医科学研究所研究倫理支援室/公共政策研究分野 特任研究員) 
  • ワクチン開発のためのヒトチャレンジ試験に対する期待と懸念 
    永井 亜貴子(東京大学大学院新領域創成科学研究科 特任助教) 
  • 認知症の超早期予測・予防を考える――2050年に向けた倫理的課題 
    木矢 幸孝(東京大学医科学研究所公共政策研究分野 助教) 
  1. 質疑応答

◆お申し込み方法: 

下記の申し込みフォームより、事前登録をお願いいたします。 
最後に「送信」ボタンを押さないと記入内容が送信されませんのでご確認ください。 

https://forms.gle/V8Q8f8HjXXb4N5VX9 

お申込み締め切り:5月8日(金)12:00まで 

※当日参加用のZoom URLは、開始時刻までにメールで送信させて頂きます。 
※障害等を理由に特別な配慮をご希望の方は、フォームの欄にご記入ください。後日、担当者から別途ご連絡させて頂きます。 
※大学院入試を受験される方は、事前に教員との面談が必要になります。別途、研究室窓口(pubpoli@ims.u-tokyo.ac.jp)までご連絡ください。 

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◆本イベントに関するお問い合わせ 
東京大学医科学研究所 公共政策研究分野 
活動報告会/研究室説明会 担当(河田、三村) 
Email:event@pubpoli-imsut.jp 

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【随時更新】2027年度大学院進学・説明会のご案内

2026/04/16

公共政策研究分野は、2つの大学院における修士(博士前期)・博士課程で大学院生を受け入れています。各種説明会にはぜひご参加いただき、進路決定の参考にしてください。また、出願を検討して下さっている全ての方に、希望する研究計画をまとめた書面のご提出と個別面談をお願いしています。出願を希望するする研究科を記載の上、ご連絡ください。

研究室窓口メールアドレス: pubpoli@ims.u-tokyo.ac.jp

 

1.公共政策研究分野 活動報告会・研究室説明会

日時: 2026年5月9日(土)10:00-12:15(予定)

場所: 公共政策研究分野セミナー室 & Zoomミーティング

詳細はこちら

 

2.新領域創成科学研究科 メディカル情報生命専攻 医療イノベーションコース(担当教員:武藤、李)

入試情報

第1回 医療イノベーションコース説明会(終了しました)

日時:2026年4月25日(土) 13:30-15:30(ハイブリッド開催)

場所:東京大学医科学研究所 2号館 2階小講義室(オンラインでも同時開催)

 

第2回:医療イノベーションコース説明会

日時:2026年5月14日(木) 18:00-19:00

場所:Zoom Webinar

Zoom Webinarにて入試制度Q&A、研究室紹介(1ラボあたり3分程度)の後、Zoomのブレークアウトルームを使った Meet the professor(オンラインラボ訪問 20分)を実施します。下記の参加登録ページから参加登録をお願いします。

 

 

3.情報学環・学際情報学府 文化・人間情報学コース(担当教員:武藤)

入試情報

2027年度東京大学大学院学際情報学府入試説明会

日時:2026年5月9日(土)13:30 – 16:30

場所:東京大学本郷キャンパス・伊藤国際学術研究センター地下2階 伊藤謝恩ホール

申込:不要、入場無料

主催:東京大学大学院情報学環

 

文化・人間情報学コース夏季入試説明会

日時:2026年5月16日(土) 14:00-15:30

場所:本郷キャンパス 情報学環・福武ホール地下2階 福武ラーニングスタジオ(定員30名)&Zoom

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書籍『遺伝性の病いとともに生きるーー球脊髄性筋萎縮症患者と保因者の経験』を刊行しました(木矢)

2026/04/10

このたび、ナカニシヤ出版より『遺伝性の病いとともに生きるーー球脊髄性筋萎縮症患者と保因者の経験』が刊行されました。

本書は、球脊髄性筋萎縮症(きゅうせきずいせいきんいしゅくしょう)という遺伝性疾患の患者および保因者の方々へのインタビュー調査を通じて、遺伝性の病いとともに生きることの経験について描いた一冊になります。

本書の特徴は、遺伝性の病いの経験を「人生の途上」という視点から描き出した点にあります。遺伝性の病いや遺伝学的リスクに関する問題が人生の途上で浮上するとき、人びとは結婚や出産のあり方、家族との関係、自己の生の意味づけを問いなおし、人生を再構築していきます。本書では、その過程における遺伝学的リスクの意味づけ、「遺伝学的責任」の多様なあり方、そしてリスク論的な思考に収まりきらない生のありようを、個別の語りを通して明らかにしています。

人生の途上で自己と遺伝性疾患が結びついた患者や保因者が、自分たちの病いや遺伝学的リスクをどのように受容し、意味づけてきたのか——分析の際に心がけたのは、それぞれの意味づけや判断には、その人なりの固有の論理があるということです。他者からすると一見非合理に見える選択であったとしても、本人の中では一定の論理を持つものとして意味づけられていることを読み手にも伝わるように努めました。

これまで球脊髄性筋萎縮症の患者や保因者の声は、学術的にはほとんど知られていませんでした。本書において取り上げている語りは一部に過ぎません。ただ一部であったとしても、その声を学術的に可視化できたことについては嬉しく思います。ぜひ手に取っていただけますと幸いです。

最後になりましたが、調査にご協力いただいた皆さま、患者会である「SBMAの会」、様々な場でご助言・ご指導いただきました先生方、そして研究仲間に、心より御礼申し上げます。

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「研究における認知症当事者のニーズと参画の推進に関する調査研究事業」に協力しました(武藤)

2026/04/01

公益社団法人認知症の人と家族の会が実施した、「研究における認知症当事者のニーズと参画の推進に関する調査研究事業」(令和7年度厚生労働省老人保健事業推進費等補助金)に、検討委員会の委員長として参加する機会をいただきました。

2024年1月に施行された、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」に基づく「認知症施策推進基本計画」の重点目標(2024年12月)では、「認知症の人と家族等の経験・意向を踏まえながら研究テーマを構成する当事者参画型研究を推進する」ことが謳われています。この事業では、どのように当事者の研究ニーズを聞き、どのように参画を実現できるのかを様々な意見交換の工夫を凝らして模索しました。このたび、読み応えのある報告書が刊行されましたので、ぜひご一読ください。

 

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